火薬弩

概要

 ハッティで対バルカムット帝国の新兵器として開発された銃。いわゆるマスケット銃に相当する。火薬の生成に成功しており、かつ高い冶金技術と、精巧な加工技術により実現したもの。先込め式であったため再装填に時間がかかり、乱戦では使い物にならなかった。また、手数面でも弓矢に劣ったため、頻繁に使われるものではなかった。

 非常に高い火力を有しており、射程も弓矢よりも長かったたが、魔法の威力に比べると見劣りしたため、前線の補佐として使用されることが多かった。乱戦時に、アンデッドを操作している者を狙撃して、アンデッドの数を減らす任務に就くことがほとんどであった。よって、弓矢の打ち合いが始まってしばらくしてから使用された。バルカムット帝国側としてはいつの間にか死亡していたという認識であり、アンデッドはそもそも死亡の原因が特定しにくいため、新兵器の存在には気がつかず、また、火薬弩の発見後も使い方がよくわからなかったため、一部は好事家の収集物になり、一部は鉄の部分を溶かされ、工具へとその姿を変えた。火薬についても同様の扱いを受け、冶金に使用する土かなにかと考えられたため、放置され、海の民が数度にかけて回収した。

 モーゼ出バルカムットに際して、シナイ山にまでたどり着いたオークの一部は、この火薬弩の製造法を口伝で受け継いでおり、火薬の生成についても知識を有しているものが少なからず存在した。この一団は、ライゾージリスの酒宴には参加せず、失われた伝統の復活を試み、何挺かが試作に成功した。よい鉄がなかったため耐久度に乏しく、使い物にはならなかったが、なんとか形までは持っていくことに成功した。

 その後、ラ・ドゥエの導きにより、モーゼから離反した一段は魔の島へとわたり、ここで実用に耐えうる鉄と出会い、火薬弩を復活させた。対人ではその装填の手間からあまり目立たなかった武器であったが、魔の島においてはモンスターと呼ばれた未知の動物、特に剣や斧が通じない頑丈な皮膚を持った物に対しては大いに効果を発揮し、時間こそかかるものの、護身用の武器として生産が継続されている。非常に高価なものであるが、対人に対する有用性から、少数であるがドレイフの軍隊にも配備されている。

 射撃時に発生するススなどに代表されるごみを掃除するために、直線のみぞが掘られており、これが命中率の上昇に貢献しているが、このライフリングに関しては製作者たちも気がついておらず、銃器の更なる発展にはまだまだ時間がかかりそうである。同様に、再装填にかかる時間についても弩弓に大きく劣るため、魔の島以外の軍隊は、その威力に興味は示すが運用面の難が大きいため採用はしていない。冶金技術と科学技術の向上が望まれる。

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  • 最終更新:2016-12-09 11:45:36

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