聖誓士団

概要

 モーゼにより生み出された魔剣、エボンフラムを浄化するために放浪の旅を続けた戦士と、それを支える結社の名称。エボンフラム浄化が完了し、ビルドフラムと名づけられた段階で解散となった。
 
 浄化という名目であったが、本質的に彼らができることは何も無く、ただただティアマットの力が弱まるのを待ち、他の者の手に渡らないようにすることであった。エボンフラムそのものは、ダークエルフからすればモーゼの忘れ形見であったため、エル・ダナーンへの合流を拒んだ者たちから、聖誓士団は常に狙われる事となった。
 
 浄化そのものは5代目アグリストの代にようやっと実現した。

バルカムット原理主義との関係

 聖誓士団には、アグリストIIの貢献に対して感謝をするものが数多く集まり、彼らの支援、特に路銀や情報、宿泊などといった金銭の絡む支援には力が入れられていた。資金を稼ぐための行商と、現地での情報収集、時には新規にその地に住み着き、新たな支部とするなど、そのネットワークは徐々に大きくなっていった。

 元バルカムット人が多く存在しており、愛国心も強い集団であったため、バルカムット帝国の再建を願うものは少なくなく、多くのものはバルカムット原理主義でもあった。ただし、この頃は単なる再建国を願うだけの集団であり、アンデッド至上主義でもヒューマン至上主義でもなく、どちらかといえばセティの目指した、差別の少ない普通の国を目指す集団であった。

 聖誓士団解散後、この時の行商ネットワークはほぼそのままバルカムット原理主義に吸収され、以後の地下活動において大きな役割を果たすようになる。

組織形成の流れ

 当初2名しかいなかった聖誓士団は、デニアアグリストIIの知り合いを中心に広がっていったため、必然的にアグンヌがその中心となった。特に、ゼー及びムタヤータメは両名が支援を求める前から自発的に手伝っており、結成時にはその部下の多くが聖誓士団へと参加した。

 後にムタヤータメバルカムット帝国の後事を任されていた為、聖誓士団の活動がマムルークの公共事業とみなされ非難の対象となった。また、アグンヌそのものが元々首都機能を有する前提で設計されていなかったため、ムタヤータメ自身はアテンへと移住する必要があった。ムタヤータメはこれを良い機会とし、事務作業の多くはゼーの担当とし、アグンヌの執政には聖誓士団と無関係のものを抜擢した。

 ゼーは旅に出ている二人を支援するため、特に資金面の援助と交通の援助を求め、アグリストIIに恩義を感じる人々が数多く寄付を行い、また一部の者は聖誓士団への参加を希望した。元々軍人であるゼーは無秩序に加入してくる民兵のような状態を嫌い、取り急ぎ、参加の早いものから仮の序列を作り、暫定的な組織図を作成した。

 この組織図に対し、民間組織の政治力拡大を懸念した執政はムタヤータメに相談を持ちかけ、聖誓士団の収支の監視と関係者への増税で締め付けを行う方向で纏められた。これにより参加希望者は減り、支援を行いたい気持ちの強い者が残ることになった。人数が減少したため組織図もより簡素なものとなり把握しやすいものへと纏められていった。

執政の取り込み

 当初、アグンヌの執政は聖誓士団の監視、監督が主な役割であったが、アグリストIVが浄化の旅の担当となってからはアグンヌの執政が聖誓士団の団長であると位置づけられた。

 時間の経過により、聖誓士団への理解が広がったことや聖誓士団自身が独り立ち出来る規模に成長したことなどが挙げられるが、なによりもアグリストIVが名実ともに聖誓士団のトップであっただけでなく、アグンヌ内でも実務家として高い名声を得ていたため、彼女の直々の指名とあっては当時の執政と言えども断りきれなかった。

 これによりアグンヌ執政は聖誓士団の組織図に取り込まれ、聖誓士団の団長を兼任するようになった。以後、解散まで伝統として受け継がれてゆく。これもアグリストIVアグリストを名乗った期間が異様に長かったためで、執政が数世代に及んでしまった結果、アグンヌ執政への就任は誰よりも赴任先の事をよく知るアンデッドという前帝国からの生き字引で、かつマムルークを支える商業の長老と接触する、栄誉有る機会へといつの間にかすり替わってしまっていた為である。その為、いつの間にか実力主義で成り上がる、出世コースの登竜門として多くの人に認識されていた。

主な活動

 聖誓士団は、本来は浄化の旅を続けるデニアアグリストIIの両名を資金面で支えるために作られたもので、当初は単に寄付を受け付ける窓口でしかなかった。しかし、エボンフラムの浄化そのものが前例のない行為であったため、デニアは神聖な場所への訪問やの噂の収集、あるいは聖人と呼ばれる人物との面会など、とりあえず誰かに会い、どこかへ向かうという行動を続けていた。

 団員はこの負荷を下げるため、例えば神聖なとされる場所の下調べ、実際にその場所が有るかどうかを先行して確認しに行ったり、あるいはに関する情報の整理、聖人と呼ばれる人物の中で約束を取り付けられる人物に対しては出向いてもらえるよう交渉するという手伝いを担当した。

 特にエボンフラムの誕生はモーゼ自身の力によるものであるため、当事者であるエル・ダナーンへは頻繁に団員が送られた。旧バルカムット領と北東の果てであるエル・ダナーンへの移動ルートは交易ルートへと次第に変貌し、特に初期の燃料供給は大いに歓迎されていた。マムルークとしても貿易の拡大そのものを補佐してもらっていたため、彼らの活動には基本的には前向きな姿勢を取っていた。

 また、情報収集のため現地に赴くものはついでに行商を行っていったため次第にネットワークが拡大し、支部を作るものは必ず現地に商店を構え、団員を格安で宿泊させたり、情報交換の場を設けるなどの提供を行った。特にアグリストIVの功績は大きく、彼女の紹介で団員へと加入した現地のものも少なくない。

 一般団員であった頃から、行商のルート、コネなどで大きな貢献をしていたが、執政を取り込んでからはマムルークの後ろ盾を利用し、現地の商人を取り込んでいった。現地商人としてもまとまった人数の確保ができるため喜ばしいものであった。

念願達成と解散

 アグリストIVからアグリストVへと役割が受け継がれてしばらくした後、エル・ダナーンティアマット信者が伝えている決戦の場所と、聖誓士団が保護、管理をしている場所とが異なるのではないかとの指摘が成された。

 この指摘により、今一度決戦の場所を探索すべしとの意見が強まり、アグリストV主導でティスティ周辺の探索が行われた。アグリストVは今一度、ティアマット信仰で伝えられている決戦の地を洗い直し、当時のアグリストIIの通ったであろう道筋を口伝と照らし合わせながら慎重に辿っていった。

 かつてのメタトロンが暗号として用いた記号を見つけ、先行するニヴァーナらの後をダナーンが追い、補給拠点などを築き上げていったであろう痕跡を見つける度、失われた伝承の見直しが行われ、相次ぐ発見は本部を大いに沸かせていた。いよいよ確信に近づいているという興奮が聖誓士団を駆け巡っていた。

 祭壇の発見、エボンフラムの色の変化、そしてアグリストVダークエルフ化は目で見て解る浄化の成功で、本部へと帰還した彼らを誰もが喜んで迎え入れた。長年の念願が達成されたものとして、アグリストIVは解散を宣言。当時の執政もこれを受け入れて聖誓士団は解散となり、各地の支部から紋章を下げるようにと事後処理が開始された。

 解散時に余っていた資金は全員が集めたものであるとして、寄附金額と貢献度、役割などに応じた金額がそれぞれ返還されていった。また解散となったことである者は故郷へと帰り、ある者は新たな地へと移住し、ある者はその場にとどまった。多くのものがアグリストIIデニア、そしてアグリストIIIの家族が埋葬された墓地へと報告に訪れた。

 エボンフラムは勝利の証であり勇者の証としてアグリストVへと送られ、エル・ダナーンにてビルドフラムと名付けられた。

解散後

 解散にあたり、特に商売を行っていた元聖誓士団で支部を運営していたものは、団体の顧客を失うことになったため解散そのものは受け入れたものの、多くの者が難色を示した。

 彼ら元支部の人間に対して、当時はまだ小さな秘密結社しかなかったバルカムット原理主義の人間が協力を申し出、商売のために各地の支部の吸収を勧めていった。当初はあらたなお得意様を増やすための取引でしか無かったが、徐々にその売上が大きくなり力を持つようになると秘密結社としての面を強めるようになり、思想に反する支部の人間を更迭するなどの純化が行われていった。

 最終的に行商ネットワークの殆どが吸収され、手が届かなかった地域には新たな支部が別途置かれることとなり、影響範囲としては聖誓士団を凌ぐ広さにまで発展した。ただし表面上は殆どの者が別のギルドにも所属しているため、社会的な影響力は非常に低かった。これは意図的にそうしたものである。

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  • 最終更新:2018-03-06 10:55:35

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