バルカムット帝国

死体を操り減らない物量でもって他国を蹂躙した帝国

概要

 その昔繁栄したヒューマンによる帝国で、アンデッドを使役する能力に長けていた帝国。特に最前線には死者を活用する手段で戦果を上げ、数多くの土地を制圧し数多くの奴隷を従えた。圧政であったため、反乱は絶えず起こっていた。

 広大な土地を支配する為、他から傭兵を雇うこともあった。その一つが海を渡った先のカリコである。契約により兵士を派遣され、正規の叛乱に手が回らない時はカリコなど傭兵の手を借りていたが、一部の傭兵団は名声が下がるとして契約を放棄することもあった。これら傭兵は反乱にも力を貸していたと見られている。

 エルフとの不義の子、モーゼが奴隷を纏め上げ、大反乱を起こしたため、国力を支えていた奴隷は奪われ、また知性あるアンデッドも混乱をセティを見限りバルカムットを離れたため、国力は一気に疲弊し分裂を余儀なくされた。

 圧政により各種民族を支配していたため規模としては帝国に属する。ただし、その他の民族はほとんどがオーク(奴隷)として扱われたために政治体形としては極めて広い支配地域をもつ王国であり、帝王、女帝ではなく国王、女王が使用される。

文化

娯楽の発展

 永遠の命をえたアンデッドらは、その永遠の暇をいかに潰すかに心血を注いだ。そのため、音楽、絵画、彫刻、文学などの文化的な娯楽が大いに発展した。

 例外として、料理は他地域と比べ、それほど発展しなかった。アンデッドは味覚が徐々に失われるため、爆発的な発展は望めなかったのである。ただし、生きた人間はアンデッド使役の練習の一環として、死体に料理をさせるという教育がなされたため、バルカムット人で料理が苦手なものは少ない。

 後世にはアンデッド使役の術、及び非人道的な奴隷の扱いに関する資料は、人間の器官の詳細な資料として、あるいは体力の限界などの科学的な資料として脚光を浴びることとなる。しかし、その脚光を浴びるまでは忌むべき存在として大切に扱われることは少なく、死者の書同様に、限られたものだけが大切に保管していた。

生誕の儀式

 バルカムット人は、生まれてすぐ血のつながりのあるアンデッドより、肉片や血液を摂取する。これは高次の物との融合を意味し、性行為を経験してもある程度魔法が使えるようにするためである。

 バルカムットでは、知性の無い死体を各家で1体は保有しており、料理や洗濯、買出しなどの雑用を彼らにやらせていた。よって、アンデッドの使役が行えないと、色々と日常生活に支障をきたすため、最低限、1体は動かせるようにと受け継がれてきた儀式である。

教育

 子供たちは、物心ついた頃にはアンデッドを使役して料理をするようになる。これはどの家庭でも見られる一般的な教育方法で、食材という死体をそのままにし、動かすべき死体とそれ以外のものを明確に区別するための訓練である。

 この使役の訓練を幼い頃から続けることにより、最低限の魔力でアンデッド操作が行えるようになる。また、料理についてもある意味で英才教育を施されるため、バルカムット出身で料理が下手なものは極めて珍しい。

識字率

 奴隷以外のものでは80%以上の人間が文字を読むことができる。アンデッドにいたってはほぼ100%と高水準をたたき出している。奴隷に対しては、直接教えることはないが、文字を見る機会が多いため、特定の単語、特定の文字を読めるものがわずかに存在している。例えば地名、特定の部屋、建物などは塊として認識することができる。

特産品

死体

 死体はバルカムットにとって、最も重要な労働力であり、財産であり、特産品でもある。ほかの地域に行っても売り物にはならないが、死体を用いることで倹約ができるという利点もある。敵側の優秀な戦士の死体を戦利品として持ち帰ると言う、他の地方では決してみられない価値観も存在している。

 また、知性あるアンデッドを親に持つものが多いため、死体は彼らにとって嫌悪の対象ではない。

防腐処置

 アンデッドになる、ということは死ぬということであり、そのまま放置すれば腐る、ということでもある。アンデッドになった直後、まだ魔力が大きいうちはみずみずしい肌を保っているが、時間の経過とともに腐ってしまう。

 よって、アンデッド化した人間と、生きた人間が共存していくために、防腐処置というものの技術が大変発達している。

 基本的には油を塗り、カビを寄せ付けないなどのコーティングと、消化を助けるために石を食うといった、内蔵を削る食事などである。

ガラス細工

 アンデッドらがパーティなどへの出席の際、生前の姿をとりもどそうと努力した結果、本物と見まごうできの義眼が作られるようになった。その副産物として、ガラスにより作られた食器、装飾品など、ガラスの技術が発展している。

美術品

 石文化が盛んであり、特に彫刻美術が発展した。

巨大建造物

 アンデッドの怪力により巨大な石が運べるため、巨石文化が発達している。

軍隊

 維持コストが異常に安いため、他の文化文明からするとオーパーツとも呼べるほど早い段階で常備軍を持った。この常備軍の存在こそ、国土を大きく拡張できた要因であり、モーゼと言う天才戦術家を産みだす土壌ともなった。元来はツィドユウ討伐のためにせざるを得なかったものである。

 バルカムット帝国の拡大と崩壊により常備軍の重要性はバルカムット地方に広まり、可能な限り常備軍を持とうとする有力者が増えた。

装備品

 女性はとにかく露出が高い装備品を身につける。ハイレグアーマーにヘルメットという装備が基本で、篭手や具足などは、得物や各人の好みによって変化する。(エロいネトゲの装備が如くっ! 其の六 〜人族戦士〜

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 兵卒は黒、仕官は白の鎧を着用する。

 弓と槍の技術が発展しているが、軍内での地位は槍の方が上である。これは、アンデッド使役の際、使役者が白兵技術に精通していればしているほど、アンデッドが白兵戦で強くなるためとされている。アンデッドに弓を使わせることは可能だが、狙い済ました射撃は、生きた人間にしか行えないため、物量を作戦の柱におくバルカムットでは、正確な弓の一撃よりも、手数による白兵の方が重視されている。

青銅の装備から鉄の装備へ

 モーゼによるハッティ攻略により、大量の奴隷が流れ込み、同時にハッティの武具や設備の研究から、冶金技術が大いに発展した。これを受けて、軍隊の装備品は一新され、それまでは青銅の武器であったものから鉄の武器へと変化した。ただし、物量を旨とする戦術にはなじまず、また高価であったため、一部の指揮官などに支給されるのみであった。

基本戦術

 物量作戦を好み、物量作戦以外をあまり取らない。また行軍についても巨大な松明であるメタトールを先頭に掲げると言った大雑把な手法を取る所から、あまり細かな作戦立案を好まない傾向が強い。

 しかし、モーゼが戦略、戦術を駆使してハッティを攻略した事により、物量以外の戦い方にも目が向けられるようになった。この研究は残念ながらバルカムットでは光を浴びることはなかったが、バルカムット原理主義では教訓として盛んに研究が行われている。

気候

 国土の大半が砂漠に覆われており、山に近づくに連れて緑が多くなる。

 人々の殆どは、山岳に居住しているが、伝統的な都市郡は砂漠と川の重なる地域に建設されている。これは、死体の防腐処置に都合が良いためで、またアンデッドの力により、見た目ほどの維持費がかからないため実現出来ているものである。

 バルカムット帝国崩壊後は、これら砂漠の都市は手入れが難しくなり、一部の都市以外は破棄されていくこととなった。

年表

 元号に相当する物はないが、元首となった者の名称+経過年で記録される。

?年 バルカムット帝国が建国。
... ...
セティ 第1年 10歳のセティが即位。アンデッドとなった父が為政を取り仕切っていたが、彼の失敗の身代わりとして立てられたことを悟ったセティヤミの協力のもと父を気絶させ、ツィーツィの洞窟へ放り込み抹殺した。傀儡と思いなめていた臣下はセティがその名の通り、破壊神の生まれ変わりと恐れ服従するものが数多く表れた。
セティ 第5年 12歳のモーゼが修行の為ハッティとの戦闘を行っていたヤミの元へと訪れる。
セティ 第6年 ヤミが自身の指揮権をモーゼに委ねティスティを攻略。勢いに任せハットゥシャを陥落させハッティの攻略に成功する。セティは先王の方針を引き継ぎ拡大路線を取っていたが内乱の多さなどに疑問を感じていたため一旦内政に力を入れる。ヤミティスティに拠点を置き、半独立の権限を与えられた。
セティ 第25年 契約を結んでいたカリコが離反。鎮圧され各地の石切り場へと落とされた。
セティ 第66年 モーゼが石切り場にて反乱を起こし離反。行方不明になる。
セティ 第68年 モーゼが帰還し奴隷解放を直訴。交渉が決裂した結果、モーゼは大量の奴隷を引き連れてバルカムット帝国を脱出する。ヤミ等数多くの者が離反し、内乱の時代へと突入する。
セティ 第69年 海の民の降伏勧告によりバルカムット帝国は滅亡。マムルークが建国され、アグリストIIが最後のバルカムット人として認められる。

主な都市

関連


  • 最終更新:2022-04-07 17:19:28

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