ニヴァーナ

プロフィール


 ジリスにより解放された地域のひとつで働いていたエルフ。元が臆病であるため反乱に加わるのを拒否し、そのために迫害を受けた。迫害から逃れるために反乱に加わるが、やや自暴自棄になったところがあり、ヨシュアと出会うまで自分の命を粗末に扱いつづけた。苦しみから逃れるために前線に立つが、それでも死の恐怖から生を渇望し、生き延び続けた。彼女は知らず知らずのうちに実力をつけ、最終的にはモーゼの親衛隊にまで上り詰めたため、メタトロンに数えられるようになった。

 モーゼの死後はダナーンの護衛を勤め、また、ティアマット討伐に唯一ダークエルフから志願した。周囲はまたいつもの死にたがりとうわさしたが、本人は大恩あるヨシュアと、醜い姿となったモーゼを解き放つため剣を取ったに過ぎない。エル・ダナーン建国後はダナーンの遺志を継ぎ、ダークエルフの受け入れを推進し、エルフダークエルフがともに手を取りあえる社会を目指した。

反乱への参加

 ニヴァーナの家は、ジリスに率いられて新たな拠点へと移住したものの、反乱が上手くいくとも考えられず、反乱の参加そのものには消極的だった。ジリスからすれば、率いられて来た時点でバルカムット帝国からも反乱の参加者として見られるのに、居住地だけを占領するのは勝手な行動だった。最初から率いられなければいい。

 ニヴァーナの家からすると、元いた地で反乱を起こしたのだからどこに行っても反乱の参加者扱いで、最初から強引に連れてこられたものであり、選択肢は無かった。

 それぞれに言い分らしきものは存在していたが、周囲の支持を得、そしてまとめていたのは当然ジリスであり、彼女は他の参加者への示しの為にもニヴァーナの家を何らかの形で参加させなければならなかった。そこで彼女が取った行動は、軽い説得と、投石による罰だった。

 家族全員に浴びせかけられる石の雨の中、身を守ろうともせずニヴァーナは立ち上がる。力なく。殺せるものなら殺してみろと。自暴自棄になっていた。奴隷に生まれたのにも疲れたし、仲間から非難されるのにも疲れた。家族が酷い目に合うのにも疲れた。すべてを一気に解決するには、戦士として戦って、さっさと死んでしまう事だと。彼女はそう判断した。

 身を守るそぶりを見せず、まっすぐジリスの元へと歩く彼女の姿に投石は次第に止み、ついには誰も石を投げなくなった。こうして、ジリスは新たな兵士を得て、ニヴァーナは一本だけ剣を要求した。

 反乱に参加してからのニヴァーナは、最前線に立ち続ければいつか死ねると考えていたため、常に危険な場所へと足を踏み入れていた。かといって敵から斬られて苦しむのも怖く、また自殺する気力も無かったためから決して易々と斬られるような真似はしなかった。当然のことながら群を抜いて強くなるが、強くなれば強くなるほど死が遠のき、本人にとっても死にたいが死ねないと言うジレンマを常に抱え続けていた。

ヨシュアとの出会い

 ジリスから見ると、ニヴァーナは貴重な戦力でもあったし、どこかで死にたがっていると言うのも解っていたので、遠慮せずに最前線へと立たせることが出来た。死んだら死んだで、歯向かった人間がどうなるかという、適当な話をでっちあげるつもりでいた。本人の意思と使う側の意思が合致していたため、周囲もそのうち死ぬだろうと考えており、「死にたがりの」とあだ名される事も少なくなかった。しかし、ヨシュアとの出会いが、彼女の性格を前向きな物へと徐々に変化させていった。

 バルカムットから脱出するにあたり、モーゼ一行とジリス率いる反乱軍が合流した際、ヨシュアニヴァーナのあまりにも無茶な戦いぶりを見ていつか死んでしまうと感じた。ニヴァーナからしてみればそれが望みなので、そう感じるのは当たり前の話なのだが、ヨシュアニヴァーナは本音では生き延びたいと思っていると、そう感じた。本当に死ぬ気であればとっくに死んでいると。死んでいないのは、生き残りたいとどこかで願っているからだと。

 あまりにも悲しい戦いぶりと、ジリスヨシュアに対する扱いが見るに堪えなかったため、ヨシュアニヴァーナを預かりたいと申し出る。自分に付きまとうヨシュアを当初は煙たく思っていたが、本気で身を案じている事が徐々に伝わったのと、ジリスから離れたと言う環境の変化から、少しずつ心を開くようになっていった。

 以後、ヨシュアの元で腕を磨いた彼女は、ヨシュアの推薦により親衛隊へと抜擢される。

 親衛隊としてダークエルフになった際、別件でジリスは処刑されてしまうが、これによってようやくニヴァーナジリスの呪縛から解放され、自暴自棄な戦いから堅実な戦いへと戦い方を変化させていった。モーゼ、そしてヨシュアニヴァーナにとっては文字通り救世主だった。

対ティアマットの勇者として

 ジリス亡きあと、ニヴァーナヨシュアの右腕としてその存在感を示していた。ティスティ攻略にあたっては、特命で内部に潜入したヨシュアに変わり親衛隊を率い、包囲した一般の兵士らの盾となる役目を見事にやり遂げた。ティスティ攻略後はダナーンの護衛を努めつつ、街道の警備にあたった。

 崩れた城壁等の応急処理が完了し、為政が落ち着き始めたころ、ヨシュアに先行してアナンの偵察に出るよう命令が下された。ニヴァーナは留守を預かり、ティスティ攻略の時と同じように親衛隊をまとめていた。この時、モーゼ一行には大きな戦いの後という事と、落ち着ける土地のようなものを得た事により、やや気のゆるみが有ったのかもしれない。誰一人として、サウロの暗躍に気が付くものは居なかった。

 モーゼの伴侶であったサウロには一つの願いが有った。自身がアンデッドで永遠に生きるのに対し、モーゼは年老いて死んでいく。その違いが彼には耐えられず、一度殺して復活させることでともに永遠に生きようとする、歪んだ願望をいつしか抱いていた。その為に、モーゼの護衛であるサンディフロッシーゼルダの私兵3名、そして、ヨシュア率いる親衛隊、特にモーゼにべったり張り付いているヨシュアは邪魔でしかなかった。そんな彼にとって、ヨシュアが単身で偵察に出たのは好機そのものであった。

 魔法使いとして強大な魔力を手にしていたサウロは、モーゼヨシュアに恨みを持つ人物らの頭に直接語りかけた。恨みを晴らすチャンスだと。そして、モーゼ自身には、ダナーンを通じて気晴らしに出るように勧め、こちらも護衛が薄くなる機会を作った。ヨシュアモーゼは同時に殺害されなければならない。……この計画は見事に成功し、結果として、後の世にティアマットと呼称される龍を産んでしまう。モーゼの死によって、モーゼ自身の物ではない魔力が暴走し始めたのだ。

 ティアマットの出現により、ダナーンは慌ててヨシュアの呼び戻しを行ったがヨシュアもまた殺害されており、エボンフラムだけが持ち帰られた。このままでは一行はおろか、周辺の都市までも巻き込んで全滅してしまうと感じたダナーンは周辺都市に協力を要請し、ティアマット討伐を計画した。しかし、ティアマットの出現を感じとったダークエルフらにとっては我が主に剣を向けるものと同様に感じ、その忠誠心からニヴァーナ以外の全てのダークエルフが、この討伐への参加を拒んだ。

 他のダークエルフニヴァーナの違いは、ダークエルフとしての力に恩義を感じているか、ヨシュア、そしてモーゼに恩義を感じているかの違いだった。もちろん、他のダークエルフモーゼアナンを望んでいたが、ニヴァーナモーゼの望む笑顔の絶えないエルフの世界を望んでいた。少なくともこの混乱はモーゼの望んだものではない、そう判断したため、裏切者と呼ばれても、モーゼが守った民のために立ち上がると決めた。

 元々石を投げられ辛い思いをしてきたからこそ、そこから救出してくれた2人への恩を誰よりも強く感じていたからこその行動だった。ジリスの迫害から逃げるため、ヤケを起こして立ち上がった訳ではなく、刺し違えてでもモーゼの理想と大義を群れに呼び戻すと言う決意によるものだった。

 ギークより陸路でバルカムットを目指していたアグリストIIデニアもこの討伐に参加し、崖へ追い落とした後、最終決戦へと赴き、ティアマットの封印に成功した。

親衛隊の解散と再編

 指導者たるモーゼを失ったが、幸い、ティアマットという大きな敵を打ち倒したためモーゼ一行はダナーン一行としてある程度の団結を持っていた。しかし、ヨシュアが倒れ、モーゼも倒れた今、モーゼが目指したアナンを目指すのは縁起が悪いとして、異なる地へ向かいたいと言う意見が強く表れた。

 次善の策として、第二候補、第三候補を聞かされていたダナーンは、その中から北東の地を選び、そこへ向かう事とした。その際、当然ダークエルフを連れて行こうとしたが、生き残ったエルフらはダークエルフを恐れて強く反発した。ジリスの処刑がここへきてひびいてきたのだ。ティアマットと言う強大な敵から力を受け継いだダークエルフは、ただついてきただけのエルフにとっては恐怖の対象でしかなかった。

 ダナーンは激怒する。

 誰が体を張って、群れを守ってきたのか。誰が一番傷つき、死の危険に有ったのか。ダークエルフら親衛隊では無かったのかと。

 このダナーンの怒りを収めたのがニヴァーナだった。ジリスの元で石を投げられ、仲間内からも死にたがりと後ろ指をさされながら生きてきた彼女だからこそ知っていたことがあった。一度根付いた差別は早々無くならないと。

 嫌われながら生きるのは辛い。だから、親衛隊はここで解散させよう。そして、自分の意志でついてきたい者、差別や侮蔑に耐えられる自信のあるものだけ、自主的に同行させようと提案した。ダークエルフらも、ティアマットの出現を喜べないエルフと一緒にいるのは少し抵抗があると。

 群れを停滞させるよりは動かすべきと、渋々了承させ、ニヴァーナは親衛隊を再編しなおした。ティアマットから授かった力はその封印と共に失っていたため、今まで通り10倍以上を押し返すような活躍は見せる事が無かったが、それでも歴戦の勇者だったため、どの部隊よりも良く戦い、自ら傷つくことで周囲からの信頼を勝ち取ろうとしていた。……死にかける事でしか周囲の信頼を獲得できない、死にたがりだからこその不器用なやり方だった。

 死を覚悟してでも信頼を勝ち取ろうとした行動は、次第に周囲を動かした。親衛隊は徐々にエルフとの混成部隊へと変化していき、少なくとも同行しているダークエルフらは受け入れられることに成功した。

エル・ダナーン

 新しい地についてから安定するまで、ニヴァーナはその剣を振り続けた。特に交渉や護衛などには率先して参加し、全員の利益を守ろうと心がけていた。他のエルフらも立ち上がったばかりの自分たちの故郷を暮らしやすくするために全力を尽くしていた。

 全員の努力が実を結んで情勢も落ち着き始めたころ、ダナーンは改めてダークエルフの受け入れを打ち出し、ニヴァーナら親衛隊の下地もあって、エルフダークエルフはとても仲良く生活していた。まだ名前もない、集落に近いものだったが、それでも全員が手を取り合っていた。

 ダナーンはこれを見て自分の仕事は終わったと。そして、無用な苦労を全員にさせた事を罪とし、その償いのためティアマットを討伐した地で身投げを行い死亡する。一行全ての人から惜しまれた死はより一層団結をもたらし、自分たちの集落をエル・ダナーンと名乗り、永遠に忘れてはならない恩人であるとした。

 エル・ダナーンとなってからもニヴァーナは変わらずダークエルフの受け入れを推奨し、また、強制は軋轢を生む事を本人の経験で嫌という程理解していたため、決して説得には赴かず、何か問題が有った際にはただお願いと謝罪をするという、頭を下げるだけに終始した。

 ダークエルフが問題を起こした際にはエルフに。エルフが問題を起こした場合はダークエルフにそれぞれ頭を下げた。エル・ダナーンの住人は、誰が一番この集落のために身も心も捧げてきたかを良く知っていたので、ニヴァーナに頭を下げられれば矛を収めるしかなかった。

 ニヴァーナの死後、徐々に両種族の溝は深まっていくが、少なくともニヴァーナが存命の間は全員がエルフであり、ダークエルフでもあった。当初は誰かから殺される事が望みだった死にたがりは、天寿を全うし、その死にざまは笑顔であったと言う。

やられグラフィック

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  • 最終更新:2016-12-31 00:02:36

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