デニア

呪われた剣に乗っ取られ、愛する夫を手にかけた悲しき戦士

プロフィール


 バルカムットの軍人。現場主義で他民族の戦士を認めているため差別的な意識はきわめて低い。バルカムットのために最後まで戦った人。

 モーゼバルカムットを出てすぐにアグリストIIと出会い、その有能さから色々と重要な仕事を振り、他の仲間に紹介をして回った。アグリストIIバルカムットの守護者と呼ばれるのはデニアとの出会いがあればこそである。

 バルカムット崩壊後はアグリストIIと共に戦場を駆け巡り、降伏のためセティギークに嫁ぐ際の護衛を果たした。モーゼティアマットと化した時も討伐に参加し、功績を挙げている。死に場所を求めていたと後に振り返っている。

 ティアマット討伐後、バルカムットの負の遺産といえるエボンフラムを浄化する旅に出ることを決意。アグリストIIと共に、長い、幾世代もへた浄化の伝説がここから始まった。エボンフラムが浄化されるまでの間、ダナーンより渡された一冊の白紙の本にこの浄化の旅に携わったもの全ての名前が記載された。この本に記載された人々は聖誓士と呼ばれる。

生い立ち

 両親はデニアを産んでまもなく他界しており、知性あるアンデットとはならなかったため祖父母に引き取られた。本来バルカムットで生まれたものは初期の段階で料理を通じて死体を動かす術を学ぶが、幼いデニアには死体は両親を連想させた。そのためこの教育を受けられず、バルカムット生まれでありながらアンデッド操作が苦手である。

 また、祖父母はすでにアンデッドであったため味がわからなくなっており、兵士になるまではまともな食事を出されることがなかった。このため士官学校に入るまで料理というものを目にしたことがなく、バルカムット生まれでは珍しく料理が苦手である。こういったほかとは違う特色が彼女をバルカムット的な偏見から解き放ち、公平な視点を持つ大きな要因となった。

 生まれこそ名家であるものの、アンデッド操作等が苦手という理由から伝統的な町には配備されず、実験都市アグンヌへ配属となった。

訓練時代

 アグンヌ配属前の訓練兵の頃、彼女は様々な新しい発見をする。そもそも調理されたものを見たことがなかったデニアは、ここで初めて料理というものを目撃し食事らしい食事を始めて覚える。また、それなりに名家の生まれであった事に加え、アンデッド操作による家事を学ばなかったために部屋がすぐ散らかり、同室だったチェカには大いに迷惑をかけていた。洗濯などはさすがに覚えたが、掃除は長期間にわたって苦手としていた。

 また、料理に関しては当番制であったが、デニアが調理を行うとサラダに目が生える、魚に足が生える、焼いた肉に口がつくなどなど、あまりのおぞましさにアンデッドを扱うバルカムット兵士ですら恐怖を覚えた。そのため、同室であったチェカが代理で当番を行うようになり、兵舎の平和は保たれたという逸話がある。

 これは無意識による半端なアンデッド使役術が災いしたもので、動かすべき死体と動かすべきではない死体を区別できず、調理の際に食材を活かそうとした意識が食材に働きかけた結果、なんとなく食材が生き返えってしまったものである。食材は死体であるが、料理によりほかの死体と混ざり合ったことで食材自身も本来の姿を思い出せず、名状しがたい奇妙なキメラを誕生させてしまった。もちろん、これらの料理は破棄された。バルカムットの初等教育が、彼らの生活にとっていかに重要なものかを示す事件とも言える。
(参考:Dな食卓

 なお、この噂は有名ではあったが、アグンヌ配属時、そんな奴はいないだろうと。噂はあくまでも噂だろうと言うことで兵士らがデニアに調理させたところ、盛り付けられた葉っぱを触手代わりにして歩き回る、名状しがたいサラダが何皿も出され、兵士の食卓は混乱と恐怖で満たされる一夜となってしまった。以降、二度と調理場には近づかないようきつく嘆願され、デニアもそれに従った。

アグリストIIへの補佐

 モーゼより印章を渡されたアグリストIIが最初に遭遇した士官がデニアであったことは、幸運という他なかった。モーゼは王家の印章を渡せばバルカムット内での活動が楽になるだろうと判断したようであるが、オークがそのようなものを持つ時点で誰かから奪ったに違いない、と考えるのが一般的なバルカムット人である。

 アグリストIIは喋る槍に導かれ、アグリストの槍の欠片が言われた地域へと足を踏み入れた。その場所というのがデニアが監督を受け持っていた石切り場で、丁度発生した槍の欠片の暴走の鎮圧を共に成し遂げた。アグリストIIが使えると判断したデニアは戦力を必要としているツィドユウ討伐隊を紹介しムタヤータメへ報告を上げるなど好意的な処理を行った。

 これがもし最初に出会った指揮を執る人物がデニアでなければ、アグリストIIは王族の誰かを襲撃したに違いないと疑われ兵士らから攻撃を受けていたであろう。事実、パハボトーは疑いこそしなかったものの労働力の追加は聞いていないなどとして不審人物として足止めを行い、再会したパクアヌラー、そして共にツィドユウの遺跡に潜ったイノは彼を警戒した。ゼーデニアからの紹介が無ければ王家の印章を持ったオークを王家の特命を受けた者とは考えなかったと後に語っている。
 
 戦術、戦略に長けたモーゼが印章による逆効果を見抜けなかったとは思えないという意見も根強く、それら一派からは「モーゼアグリストIIに印章を渡すことで自分自身への合流を早め、第三の後継者候補としたかったのではないか」と言われ、最大の誤算がデニアであったとされている。

ティアマット討伐

 バルカムット帝国が降伏の際、デニアアグリストIIは共に戦利品として持ち帰られるセティの護衛を行い、デニアアグリストIIが最後のバルカムット人として認められる儀式の立会人となった。

 セティの護衛としてギーク領内までは船で同行した二人であったが、デニアが気持ちの整理をしたいと提案したため陸路で大回りして帰還するルートが選ばれた。この帰り道で崩壊した村に出会い、生存者を探しに来たニヴァーナと鉢合わせる。

 近隣に龍が現れて破壊活動を行っていると伝えられ、迂回を勧められたが迂回の路銀などが無いため討伐に志願。ダナーンの指揮下に入りアグリストIIと共に活躍を見せる。元々喧伝の都合もあり当時バルカムット帝国最強の戦士といえばアグリストIIと言われていたが、そのアグリストIIですら苦戦する竜牙兵をこともなげに撃破したり、乱戦時の撃破数がニヴァーナを上回るなど、この戦いでデニアは戦士としての評価を大いに向上させた。

 ダナーン一行はバルカムット帝国から離脱したモーゼの率いた民であり、デニアアグリストIIは本来であれば招かれざる客であった。が、デニア自身、オークエルフに対して差別なく接していた人物であると一行の間では評判が高かったことと、アグリストIIダナーンと同じ石切り場出身で同じくモーゼに救われた幼馴染であったために両名は比較的スムーズに群れに受け入れられた。

 特にアンデッド操作が出来ないデニアは戦闘状態となると無意識下で周辺の死体を動かそうとしてしまう傾向が強く、この特色は死体がベースとなる竜牙兵にとっては天敵とも言える効果を発揮した。同様に革製の鎧など、死体を加工した製品を身に着けた味方には戦いを補佐する効果を発揮するなどの効果を発揮し、指揮下に入った者からは理由は解らないが戦いやすいと高い評価を得た。尤も本人らはこれはデニアの指揮が的確であるためと解釈していた。

 一部懐疑的なエルフらも存在はしたがアグリストIIダークエルフとなったニヴァーナ以上の戦果を挙げるデニアは戦士、そして指揮官として周囲から頼られる存在となり徐々に打ち解けていった。

 厳しい訓練による洗練された動きはカリコの姉妹を彷彿とさせ、理由は解らないが何故か指揮下に居ると戦いやすい損害の少ない指揮はモーゼをも思い出させ、早い段階からティアマット討伐隊にとっての主力となった。

 崖に追い落としてからの最終的な決戦には地形の問題で勇者しか送り込めず、デニアはその精鋭の指揮を委ねられた。最終的にアグリストIIが自身の槍と引き換えにティアマットの封印に成功。デニアダナーンよりヨシュアの形見であるエボンフラムを預かり、本来の炎の剣の姿を取り戻すための旅を開始した。

聖誓士団

 エボンフラムの浄化の旅を開始した二人であったが、長期間の活動となるであろうとアグリストIIが予測。旧バルカムット帝国知人に相談と支援を求め、多くの人々が協力を申し出た。参加人数が増えた事により何かしらの名称が必要となり、ムタヤータメの案により聖誓士団と名付けられる。ダナーンより受け取った白紙の本は団の拠点に預けられ、これへの署名をもって団員、すなわち聖誓士と認められるという一定のルールが作成された。

 モーゼの出バルカムットによりかつての労働者が散らばり、デニアの名声は地味に高まっていた。一つにはとても良い労働者の監督……バルカムット人にして一切分け隔てなく接してくれたと言う内容の名声。もう一つには、ジリスの部隊との戦闘、そしてティアマット戦など、アグリストに引けを取らない戦いぶりにより得た戦士としての名声。最後に、呪いの武器エボンフラムを装備する呪われしものとしての名声。この3種類の名声が噂話として広がり、バルカムット地方ではちょっとした有名人になっていた。

 この名声のおかげでどこへ行くにも楽ではあったが、本来の目的である浄化の旅は困難を極めた。元々が誰も行ったことのない行為であるし、出来る事と言えば神聖とされる場所に赴き祈りを捧げる程度。他は出来ると豪語したもののの元へ向かってはガセネタをつかまされるなどを繰り返していた。何度も失敗を繰り返すうちに、当の本人には携えている黒い炎を出す剣が予想以上に危険な物ではないかという恐怖が徐々に押し寄せてきた。

 浄化の旅を続けるにつれ、徐々にエボンフラムには自我のようなものが宿るようになり始める。デニアは幾度となく夢の中でエボンフラムを持った自分自身と戦い、勝利はしていたものの、いつ殺されるか解らない不安を常に感じていた。夢で受けた切り傷と同じ場所に小さな傷が出来る事もあり、夢の中での敗北は死を意味するのではないかという予感、そしてバルカムット生まれである彼女にとって、死はそのまま使役される死体になるのではないかと言う恐怖が頭を巡っていた。

 自身の迷いを払拭するために彼女が求めたのは信頼できる男性のぬくもりであった。行く先でお互いを求め合った結果、二人の間に新しい命が授けられた。流石に身ごもってからは母子の安全を考え、浄化の旅は一時休業し、聖誓士団は二人のために情報集めとネットワーク拡大へと力を注いだ。

息子との旅を夢見て

 浄化の旅は息子の成長を待ってから再開された。デニアにとっては心配事が一つ増えたが、同時に生きる希望のような物にも変わっていた。子を得るまで他人の子供がかわいいと思ったことはあまりなかったが、旅先でつい話しかけてしまうなど母親らしい一面を多く持つようになっていった。

 そんなある日、帰ってきたデニアは激怒する。息子がツィドユウ討伐隊に参加していると聞いたのだ。これに対してアグリストIIは息子の成長を歓迎し、初めて夫婦喧嘩が勃発する。この夫婦喧嘩により、デニアの怒気に当てられて三度目の半端なアンデッドが跋扈する事態に発展し大騒ぎとなる。

 以前までのデニアであればこの騒動もせいぜいが家一つ分程度の復活で済んだが、携えていたエボンフラムはこの怒気を好んだ。エボンフラムデニアの中途半端なアンデッド操作に力を貸し、復活の範囲はアグンヌ全体に及んでしまう。使役中の死体の一部の操作が奪われたり同様の謎の食材が生き返り人々を襲撃するといった街を巻き込んだ大騒動は、パハボトーら同様の事件の経験者らによってデニアが元凶であろうと判断され、喧嘩中の夫婦の下へと大勢が駆け付けた。

 今にも剣を抜いて襲い掛かりそうなデニアに対してアグリストIIは必死に説得を試みていた。蘇った死体らは主にアグリストIIを襲撃し、アグリストIIはそれらを避けながら、あるいは防ぎながらデニアと対話を続けていた。勢い余った食材らは家の物を破壊し、その中の一つが食器棚を直撃させてしまう。

 グラついた食器棚はまだ幼いアグリストIII目がけて倒れ込み、慌てたデニアは捨て身で息子をかばい重傷を負う。食器棚の下敷きになったことでデニアの怒りが引いたのか、あるいは重傷により力を失ったのか、いずれにせよこの瞬間に食材らは元の姿へと戻り騒動はひと段落を迎える。

 デニアと共に食器棚の下敷きになった息子は幸い顔に軽い怪我を負った程度で済んだ。デニア自身も足の骨折と破片による多くの切り傷をその身に受けた。なお、この傷はエボンフラムの影響により常人では考えられない速度で完治した。

 街を恐怖に叩きこんだ事件ではあったが、幸いにして二人への理解の強かったアグンヌではだめになった食材の弁済や、死体の修復等必要以上の責任は問われず、謝罪と賠償を担当した聖誓団には多くの寄付が集まった。軽傷ですんだアグリストIIIアグリストIIの父子が一軒一軒謝罪に回り、修復の手伝いをして回ったのも理解の後押しとなった。

 戦争に匹敵する混乱を起こした事件ではあったが、この一件で家族の絆はより強固なものとなる。デニアの旅先での心配は帰宅の楽しみへと変化していき、恐らくはこの家族が一番幸せだった時期であろうと思われる。しかし、この幸せも長続きはしなかった。

 デニアにしてみると、ちょっとした油断……慣れがもたらした悲劇だったのかもしれない。パハボトーを初めとする仲間らと共に食事に出かけた際、とうとうエボンフラムに体を乗っ取られてしまったのだ。仲間と家族に向けて振り下ろされる刃をアグリストIIは必死の抵抗でしのぎ切り、なんとか息子は無事であった。が、その代償は大きく、デニアアグリストIIは相打ちで力尽きてしまう。、

 二人の亡骸はアグンヌの旧石切り場にて丁重に葬られ、エボンフラムは次の持ち主を決めるまで、この事件があったその場所に突き立てられたまま監視が続けられることとなった。

年表

12歳 セティ 第60年 ギーク歴 216年 士官学校入学。チェカと邂逅。
12歳 セティ 第60年 ギーク歴 216年 士官学校にて食材が蘇る事件が発生。(Dな食卓
14歳 セティ 第62年 ギーク歴 218年 士官学校卒業。
15歳 セティ 第63年 ギーク歴 219年 アグンヌに配属。石切り場の監督を任される。ゼーと邂逅。
15歳 セティ 第63年 ギーク歴 219年 アグンヌにて食材が蘇る事件が発生。
18歳 セティ 第66年 ギーク歴 222年 アグンヌにてアグリストIIと邂逅。
19歳 セティ 第67年 ギーク歴 223年 食材の数が少なく、焼くだけ、切るだけなど工程が簡単な料理は辛うじて出来るようになる。
21歳 セティ 第69年 ギーク歴 225年 バルカムット帝国が降伏。アグリストIIと共にセティギークまで護衛する。
22歳 (セティ 第70年) ギーク歴 226年 ティアマット討伐エボンフラムを引き取り浄化の旅を開始する。当時本人達は暦が変わったことを知らなかったので、デニアの日記においてはセティ 第70年と記載されていた。
22歳 マムルーク歴 2年 ギーク歴 226年 一旦バルカムット帝国へ帰国。敗戦処理を少々手伝い、マムルークへの変更予定を聞いてからアグリストIIと共に第一回の遠征へ出立。
24歳 マムルーク歴 4年 ギーク歴 228年 シナイ山よりマムルークへ帰還。土産話と苦労話から支援が必要と判断されゼームタヤータメが中心となり聖誓士団が発足。
26歳 マムルーク歴 6年 ギーク歴 230年 聖誓士団が結成されたことをエル・ダナーンに報告。
26歳 マムルーク歴 6年 ギーク歴 230年 聖誓士団が結成されたことをギークセティに報告。デニアが身籠っていることが判明したため留め置かれる。
27歳 マムルーク歴 7年 ギーク歴 231年 第一子(アグリストIII)誕生。浄化の旅を中断。
29歳 マムルーク歴 10年 ギーク歴 234年 子供の体がしっかりしてきたのでマムルークに帰還。
32歳 マムルーク歴 13年 ギーク歴 237年 子供をゼームタヤータメらに預けて浄化を再開。中断の間に溜められた情報のなかから近郊の物を選んで足を運ぶ。
36歳 マムルーク歴 17年 ギーク歴 241年 帰還時、子供がツィドユウ討伐隊に参加していたことが発覚。アニーは喜んだがデニアが激怒したために夫婦喧嘩が勃発。周辺の食材が生き返るなど混乱が発生し、子供の顔に大きな傷が入る。
42歳 マムルーク歴 23年 ギーク歴 247年 家族団らん時、エボンフラムに乗っ取られ暴走。アグリストIIの捨て身の抵抗により相打ちでこの世を去る。

やられグラフィック等

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カットイン

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利用mod


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  • 最終更新:2020-09-09 06:23:31

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