アグリストII

奴隷から成り上がった戦士にして英雄。同じく奴隷らの地位向上に大きく貢献し、差別する側の人達からも尊敬の念を集めた稀有な例。

プロフィール

登場作品:女将軍モーゼ
性別:男
種族:オーク
所属:バルカムット帝国,聖誓士団

 ヨシュアダナーンの幼馴染で本名はアニーという。

 バルカムット石切り場にて労働中、ダナーンが兵士に絡まれたため持っていたシャベルで兵士と戦い殺害。モーゼの助力によりその場から逃亡している。この事件は後にモーゼがその罪をかぶったため歴史からは抹消されている。戦闘について素人であった彼が兵士を殺害できたのは、手にしていたシャベルがアグリストIの一部であったためである。

 現場から逃亡後、モーゼヨシュアダナーンを後継者として育てるため引取り、アニーアグリストの身体探しのためバルカムットに残ることとなった。このとき、モーゼからバルカムット内で動きやすいようにと王家の印章をつけた首飾りと、アグリストの名前を送られる。モーゼアニーが所有しているシャベルがアグリストIの一部とは知らず、この名前を送ったのは単なる偶然に過ぎない。

 その後アグリストIIバルカムット内を探索し、バルカムット人と人種を超えた絆を作り、モーゼが反乱に乗ったライゾーが反乱に加わるよう勧誘したがこれを断りバルカムット人として生きる道を選んだ。

 セティモーゼの追撃に失敗したことによりバルカムット領内の離反が続く中、海の民との戦争も激化し、バルカムット帝国は敗戦に次ぐ敗戦を余儀なくされていた。そんな中、一人でも友人を生き残らせるために奮戦した彼は、オークでありながらバルカムットの守護者と呼ばれ、それまで差別の対象としていた人々からも惜しみの無い賞賛をもらう。

 女王セティが敗戦処理のため、ギークに嫁ぐこととなった際も最後まで護衛を勤めた。セティが嫁ぐ最後の夜、バルカムットという国が無くなる直前、最後のバルカムット人として女王から直々に認められる。

 バルカムットがなくなった頃、モーゼは死亡し、ティアマットへと変貌。帰路において出現したに対して、討伐の勇者を募集するダナーン一行に合流。デニアと共にこれを撃破する。この時、ティアマット封印の為にアグリストの槍が用いられ、ティアマットと共に消失した。

 以後、デニアの希望したエボンフラム浄化の旅に同行。本人があまりアグリストを名乗らなかったためその後の足取りを知るものは少ない。しかし、アグリストの名前はその後300年の時を経ても受け継がれており、時代の節目節目に現れる伝説の勇者として認識されるようになった。

聖誓士団として

 もともと戦うよりも家事の方が得意だった彼と、家事が一切できないデニアはお互いを補い合えるよいパートナーであった。当初は二人だけでの旅であったが、経済的な面や情報面でも無理があると判断し、ダナーンより預かった本を活用して仲間を募ろうと提案。ムタヤータメをトップに迎え聖誓士団を結成する。

 聖誓士団結成後、アグリストの名前を名乗る事は少なくなる。本来の名前であるアニーでの活動が多く、周囲も徐々に彼の事をアニーと呼ぶようになっていった。物腰の柔らかさや人当たりの良さ、そしてオークという見た目から行く先々でも彼がアグリストIIだと思う人物はおらず、隠密活動には丁度良かった。

 エボンフラム浄化のため各地を巡った二人であったが、デニアが旅先で子供を身ごもったためさすがにその間は聖誓士団としての活動を控え、他のメンバーが情報集めや下調べなどを担当した。その間、エボンフラムを持ち出そうとしたが、デニアに断られた。

 息子がある程度大きくなるまでは休業し、物心がついたころから少しずつ探索を遠くし、親に対する理解が出来たころにはムタヤータメへと預けるようになった。久しぶりに戻ってみると息子はツィーツィの洞窟の討伐に参加していた。デニアは猛反対するがアニーはこれを喜んだ。この意見の対立により非常に危険な夫婦喧嘩が勃発し、食材などを元とする不安定なアンデッドがやみくもに人を襲う事態となり、息子に軽い怪我を、デニアにも大きな怪我を負わせる結果となってしまう。

 アニーはこの騒動の原因は自分たち夫婦にあるとして息子の望みをかなえるよう相談し、デニアもこれを了承する。ただし、今すぐと言う訳にいかず、危険な旅に行くためそれなりの腕前になったらと言う条件が付けられた。この時、アニーは息子に「共に旅をするようになったらアグリストの名前を贈る」と約束した。

 息子の行動から始まった夫婦喧嘩は結果として家族の絆を強くし、両親には家に帰る楽しみを、息子には両親の帰りを待つ楽しみを、それぞれがより強く持つ事となった。家族としてはこの頃が一番幸せだったであろう。しかし、その幸せも長くは続かなかった。

エボンフラムの支配より嫁を救う

 たまの休みの日。家族と仲の良い友人で外での食事をしようとした日に悲劇は起こった。これまでも何度も持ち主の乗っ取りをかけてきていたエボンフラムの力に、とうとうデニアが屈してしまい夫と息子に対して刃を向けたのだ。必死の応戦によりアニーデニアと相打ちになり、同行していたパハボトーに息子が一人前になったらアグリストの名前を名乗らせてやってほしいと言い残して息絶える。

 二人の墓は二人が初めてであったアグンヌの旧石切り場に設けられ、以後、これをきっかけとして聖誓士団で名誉の戦死を遂げた者の墓地として使われるようになった。

年表

セティ 第66年 ギーク歴 222年 石切り場において兵士と口論となり暴力を振るわれそうになったダナーンの為戦い、兵士を殺害する。モーゼよりアグリストの名前を贈られる。
セティ 第66年 ギーク歴 222年 アグンヌにてデニアと邂逅。セティより私兵と認められ徐々に知名度を高める。
セティ 第67年 ギーク歴 223年 石の船護衛任務を遂行する。
セティ 第67年 ギーク歴 223年 合同演習に参加。暴走したアンデッドを撃破し参加者から称賛を受ける。
セティ 第68年 ギーク歴 224年 モーゼエルフオークを引き連れて逃亡。追撃の軍に参加する。
セティ 第68年 ギーク歴 224年 守備の援軍としてワーゴに派遣。単身で海の民に潜入し、孤立していたパハボトー隊を救出するが捕虜になる。
セティ 第68年 ギーク歴 224年 ヘポロテルヤーニヤーセティの交渉の立会人としてアテンへ帰還。
セティ 第69年 ギーク歴 225年 バルカムット帝国が降伏。デニアと共に嫁ぐセティの護衛を務め、最後のバルカムット人となる。
(セティ 第70年) ギーク歴 226年 ティアマット討伐。トドメをさした槍が消滅する。以後、原則としてアグリストを名乗らなくなる。当時本人達は暦が変わったことを知らなかったので、デニアの日記においてはセティ 第70年と記載されていた。
マムルーク歴 1年 ギーク歴 226年 一旦バルカムット帝国へ帰国。敗戦処理を少々手伝い、マムルークへの変更予定を聞いてからデニアと共に第一回の遠征へ出立。
マムルーク歴 3年 ギーク歴 228年 シナイ山よりマムルークへ帰還。土産話と苦労話から支援が必要と判断されゼームタヤータメが中心となり聖誓士団が発足。
マムルーク歴 5年 ギーク歴 230年 聖誓士団が結成されたことをエル・ダナーンに報告。
マムルーク歴 5年 ギーク歴 230年 聖誓士団が結成されたことをギークセティに報告。デニアが身籠っていることが判明したため留め置かれる。
マムルーク歴 6年 ギーク歴 231年 第一子(アグリストIII)誕生。浄化の旅を中断。
マムルーク歴 9年 ギーク歴 234年 子供の体がしっかりしてきたのでマムルークに帰還。
マムルーク歴 12年 ギーク歴 237年 子供をゼームタヤータメらに預けて浄化を再開。中断の間に溜められた情報のなかから近郊の物を選んで足を運ぶ。
マムルーク歴 16年 ギーク歴 241年 帰還時、子供がツィドユウ討伐隊に参加していたことが発覚。アニーは喜んだがデニアが激怒したために夫婦喧嘩が勃発。子供の顔に大きな傷が入る。
マムルーク歴 22年 ギーク歴 246年 家族団らん時、エボンフラムデニアを乗っ取る。息子を守るため刺し違えて他界。

関連人物


  • 最終更新:2020-09-05 06:35:32

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