ヤーニヤー
プロフィール
かつてアグリストの補佐を務めたモリヤの子孫。ハッティの残党を率い、要塞ワドメアを拠点としてゲリラ戦を展開し、史上唯一、バルカムット帝国の進行を食い止めた。しかし、この戦果は偶然によるものであり、アンデッドと海の相性が極端に悪く、海上の比較的小さい島が拠点であったという幸運に恵まれた結果に過ぎない。
海上戦が多かったために弓の扱いに長け、他オークからの信頼も厚い。
海の民の指揮官として
産まれたときからその島はバルカムット帝国に戦いを挑んでいたため、いつかバルカムットを倒すのだという夢を抱いて育つ。島は狭く農業などには適さなかったが、海の幸は豊富に採取できたため自然と船の扱い、揺れる足場での下半身の安定など、船上での動きが取りやすい体へと成長していった。
資源の問題で大型の船などは作成できなかったがこれもバルカムット帝国の対アンデッド戦への相性が良かった。小分けにされているため死体が発生しても大きな損害が出ない上に、死体が操船できるはずもなく、攻勢にこそ出られないが安定した防衛には成功していた。
ヤーニヤー自身はアグリスト教団の創設者であるモリヤの子孫であった。このため周囲からの期待も高く、本人も復活した伝統に従って訓練を積み重ね、盤上の模擬戦、実戦での戦果などを順調に重ねていき10代後半にして海の民の指揮官として抜擢される。
歴代と比べて特に優秀であったわけでは無かったため、戦果そのものはこれまでと同様のものであった。しかし、これについては落胆の声も無く、海の民がどこまで抵抗を続けられるのかは誰しもが不安を抱えていた。
転機
風向きが変わったのはバルカムット帝国領内での事件だった。王女であったモーゼが離反し、バルカムット帝国を去ったのだ。これを契機として反乱が活発化するようになり、また方面軍の長であったヤミが召喚されるなど海の民への抵抗が弱まり始めた。
急に人員が増えたために統率が追い付かないと判断したヤーニヤーは、特に言語の壁を上手く超えられるヘポロテルに総指揮を委ね、自身はその補佐及び元々いる海の民の統率に専念した。ヘポロテル自身は戦闘の経験が無いという事もあり何度か辞退したが、ギークの人数が一番多い事、補給線において騎馬の機動力、輸送力が大きい事、内政の経験がより豊富であり多人数においてはそちらの方が重要である事などをヤーニヤー自身が挙げ、ヘポロテルも不安を抱えつつも納得して引き受けた。
他の合流した部族らもヤーニヤーに倣い、責任の範囲内を各個の同郷の者に限定し、指揮系統の整理は出自を中心に再編された。人が増えた際のトラブルについてはヘポロテルが特にギーク出身の者に厳しく当たったため、数を頼みにした問題はあまり発生しなかった。逆に少数側が強気に出るケースもまま見られたが、行き過ぎたケースについてもヘポロテルは厳しく当たったため一応の公正は保たれ、やや危うさを残してはいたものの組織としては何とか体裁を保つことに成功していた。
幸い、食料については豊かな海産物が年中彼らを支えたため飢えるようなことは無かったが、漁場の拡大による乱獲でいつまでもつかの不安と隣り合わせでもあった。危うい体制であることと、食料の供給等の問題からヘポロテルは短期決戦を望んでいたが、大国を相手にして短期決戦はそもそも無理である点からヤーニヤーは長期戦を提唱していた。
ヤーニヤーの考えを聞いて以降、ヘポロテルはともかく大量の人員を配置して、かつ戦線の維持が可能な地域を検討し、旧ハットゥシャならば海が近く、防衛に適していると判断した。ヤミが本国に戻されている今が好機と判断した彼らは橋の分断から開始し、ハットゥシャを攻略。陸の拠点として、そして政治の拠点となるよう整備を開始した。
補給路の確保のため街道が作られたが、この際伐採した木材は多くが船に作り替えられ、端材は矢などの材料となった。
政治的な判断などについては経験のあるギークに任せよう、という考えであったためヘポロテルの相談を受けつつその指揮に身をゆだねていた。結果として海の民の占拠した地域はギークの属領に近い制度が採用され、終戦時の領土拡大に大きく寄与する事となった。
悲願達成
戦力の拡充、そして周囲の状況が好転したことにより海の民の悲願達成がいよいよ目前に迫りつつあった。
丁度その頃、ヤミが送り込んだ部隊が旧ハットゥシャの洞窟に立てこもり、少数での戦闘しかできない都合上、数での優位性を確保できずに長期戦を強いられていた。籠城していたバルカムット帝国兵士のほとんどを取り逃したが、アグリストII及びイノを捕虜としてとらえる事に成功。しかし、槍であったアグリストIの交渉(?)により両名は客人としての待遇を受ける事となった。
一方、一番の問題であったヤミに対しては凶悪な物量を指揮できる人材がヤミ一人であるという観点から、一ヶ所での戦闘を避け、複数方面での侵攻を行い領土を削る方針が採用された。この作戦によりバルカムット帝国本土とヤミ方面軍との間にくさびを打ち込むことに成功する。
元々バルカムット帝国への不満が高く、かつ、戦地から遠いために解放は絶望的と諦めていた周辺地域の都市はこの知らせを受けて我先にと海の民へと合流。ヤミの領地のうち南部のほとんどを制圧した海の民は、さらなる戦線を抱えても問題ないと判断し、ついにワーゴ攻略を開始する。
バルカムット帝国攻略も時間の問題となったため、捕虜返還を口実に降伏の交渉に出ることをヘポロテルに打診。前線で指揮を執っていたヘポロテルが一時的に帰還し、船でバルカムット帝国へと向かい女王セティは降伏を受け入れた。
停戦を受け、海の民の連合は解体。それぞれがそれぞれの故郷へと帰っていくことになる。ワドメア産まれワドメア育ちのヤーニヤーはワドメアにとどまり、アグリスト教団の小さな祭壇を建築し、巫女としてその生涯を終えた。
やられグラフィック
カットイン
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- 最終更新:2021-12-27 18:07:22