フロッシー
プロフィール
カリコの3姉妹が一人で長女。集団を纏める能力に長ける。特に訓練においては本人の限界ギリギリまでのメニューを組むために鬼教官と呼ばれる時もある。
幼き当主
フロッシーが産まれた時カリコは既に壊滅しており、その残党と言える組織が打倒モーゼを掲げて地下活動を行っていた。フロッシーはカリコが継承してきたシナイ山での催事を取り持つ巫女の一族として産まれ、将来的には当主となる事が約束されていた。
産まれてからすぐは平凡な少女であったた周囲からの期待もそれほど大きくは無く、良くも悪くもしないだろうと考えられていたが妹のサンディが産まれてからは少々事情が変化して行った。
生まれ持って異常な身体能力を発揮したサンディに対して大人たちは異常な期待を寄せ、次女である事をいいことに暗殺用の殺人マシーンとして無茶な特訓を開始した。元々痛みを訴えない妹であったが、それが災いしていつの間にか右目を負傷して摘出してしまう等の異様な光景に、幼いフロッシーは強い違和感を覚えていた。
次第に妹に対するあまりにも雑な扱いに抗議するようになり、ある時訓練を行っていた男性に殴り飛ばされてしまった。次の瞬間、その男性はサンディにより背骨を抜かれて惨殺される報復措置を受けたが、これを絶好の機会と考えたフロッシーは巫女の長女として発言し、我ら姉妹を粗末に扱うとどうなるか、対等な立場をとるようにと強く主張した。
大人たちはこの意見に従わざるを得ず、フロッシーも大人として扱われるために勉学、大人らの主張、トレーニングの意義などについて活発に議論を交わすようになり、次第にカリコの組織が巫女の3姉妹を中心としたものへと再編されていった。
特にトレーニングにおいては妹のみが一方的に痛めつけられる内容に不満であったため、悲願を達成したいのなら次善の策、事前の人員が必須と論破し、大人たちも同様の訓練をこなすよう義務付けた。このトレーニングには自身も参加し、大人たちが次々と脱落する中、余裕でこなすサンディと脱落せず継続したフロッシーに対して文句を付けられる者は徐々にその数を減らし、名実ともにカリコの長となった。
モーゼ暗殺計画
トレーニングメニュー考案の際に行われた大人たちとの議論において、フロッシーはそもそもの訓練の意義について説明を求めていた。カリコの歴史をこの時に学び、大人たちの悲願である事は理解したが、暗殺を計画するまでの恨みについては一切理解が出来なかった。
訓練の停止を求めたこともあったが、流石に多数決において否決されてしまいこればかりは何ともできず、なんとか導入できた物が無茶なトレーニングの禁止であった。元々3姉妹からすれば強引にやらされていたものであって出来れば放棄したかった業務であった。
一方大人らはサンディと共に行った訓練により二の矢、三の矢となる暗殺者が整い始めたためモーゼ暗殺が以前よりもより現実味を帯びたように感じ始めていた。襲撃の為の作戦がいくつか立案され、下調べ等のため調査が実施され実行が決定された。
幸い、知性の無いアンデッドによる追撃が難しい洞窟内に拠点を構えていたため脱出には成功したが多くのものがはぐれてしまい、カリコは巫女の3姉妹と数名の大人を残すのみというほぼ全滅と言っても良い被害を受けた。
この襲撃をきっかけとしてフロッシーはこれまでの考えを改め、暗殺計画の見直しと再構築を生き残った大人たちと共に開始した。
主な原因はなんであったか。どこから情報が漏れたのかを検証するうち、実行に当たって人数が多いと痕跡が残りやすく漏洩しやすいのではないかという仮説が浮かび上がってきた。幸いと言うべきか現在の人数は少ないし、この状況では再建の計画ももはや不可能と判断したフロッシーは姉妹3人のみの暗殺計画を再構築した。
モーゼとの取引
一方フロッシーらはモーゼが即席で作り上げた、モーゼそっくりの首と、それを窓の外に投げ捨てて飛び降りたサンディそっくりの死体を見て暗殺が成功したと誤解してしまい、脱出のためのロープを投げ入れた。このロープにより、おおよその位置を割り出されてしまい、モーゼの手によりサンディともども3姉妹は捕虜となってしまった。
暗殺をしかけてきた人物が年端も行かない少女であった事にモーゼは驚きを隠せなかった。サンディは捕縛後も幾度となく脱出を試みており、気が抜けない状況でもあった。モーゼはお互い落ち着いて話がしたいと提案し、まずはフロッシーにサンディを落ち着かせるよう説得をしてくれないかと頼んだ。
当然怪しさを覚えて拒絶したが、「体力温存を指示するのも指揮官の仕事」と指摘されサンディと共にこの提案を受け入れた。暗殺に失敗したモーゼの自室へと案内され、フロッシーとモーゼの交渉が開始された。当初交渉とは考えていなかったフロッシーは聞く耳を持とうとはしなかったが、モーゼの告白を聞くうちに尋問ではなく話し合いだと次第に理解し始めた。
とはいえバルカムット帝国の王女がエルフで裏切りを考えていると言う話もにわかには信じられず、フロッシーは仮払いを要求した。モーゼの話では先日の襲撃の際に捕虜となったものは何人か生き残っていると言う話であったので、まずはその大人らと引き合わせお互いの信用を確保したいと提案しモーゼはこれを受け入れた。
捕虜として生き残った大人たちと相談の結果、カリコ再興を受け入れるのであればモーゼに手を貸し水面下での活動の実行部隊となる事、そしてその支払いとして三姉妹を護衛として侍らせる事で合意が成立し、カリコは各地の反乱に手を貸す組織として活動を開始した。
バルカムット帝国内の反乱支援に関してはフロッシーが指揮を執ったが、以前の経験から情報や人の出入りが一か所に集中する事を嫌い、出来るだけ現地で処理し分散を心がけるよう徹底した指導を行った。補給拠点の分散や新設、破棄等を伝え合う暗号は基本的な物がフロッシーらによって考案され、現地での工夫、改良が行われ反乱を補佐した。
シナイ山への帰還
破壊活動の下準備をしていたある日、モーゼが二人の新入りを連れて戻ってきた。後継者の候補として連れて来たと言う。
特に脱出後は、バルカムット帝国からの追撃だけでは無く周辺の賊からの襲撃が考えられたため何か大きな力が必要であった。この力を得るためにモーゼはカリコが世話を務める龍、アンアニの討伐を考えていた。フロッシーら三姉妹にとってはもはやカリコが何を守っていたか等、伝統に対する愛着が無かったためこの案に賛同を示した。
一方、カリコの伝統にこだわる大人たちはこの案に強く反発したが、アンアニが本当に我らを守っているのなら、カリコはここまで衰退しなかったとモーゼに喝を入れられた。巫女であるフロッシーは「カリコを救いたかったのではなくこの集団を残したかった」と述べ、当主の見解が尊重し受け入れられた。
祭祀の儀式に関して口伝の再編、そして残っている記録の再編を開始し、具体的な手順、実際の効果等が実験、検証された。ただしこの研究は訓練メニューの開発、検討とも並行であった事もあり、早い段階でモーゼが指定したバルカムット帝国へ潜入する日付には間に合わないと結論が出た。フロッシーは潜入後の部隊指揮も担当しているためシナイ山に残る訳にもいかなかったため、結論が出た時点でゼルダに祭祀の研究に関する全権を譲渡し、自身は資料集めの手伝いを行った。
出バルカムット
所詮素人の集団で、かつそれぞれがそれぞれ独自の指揮系統を作っていたため、特に合図の聞き間違いなどで統率が取れず、結局連携に関しては「進む」「引く」以外をすべて廃止せざるを得なかった。
全体を見てサポートできる部隊が必要になったため、フロッシーは旧カリコの者らをあえて集めずそれぞれの部隊の補佐役として残し全体を導けるよう配慮した。それでもなお指揮からズレるものが現れたためその対策として親衛隊が創設され、窮地に陥った際にはしっかりと訓練を受けた彼らが急行するよう編成された。
異界開通
3姉妹のなかで一人シナイ山に残ったゼルダは過去の文献、残された記録を読み漁り、異界への道を開くことが出来るかも知れない、仮説を立てるところまで研究を進めていた。バルカムット帝国離脱後はどのような勢力と戦闘になるか解らなかったため、出来るだけ短期間で強力な力を得る方法を模索せねばならなかった。
そのための結論として出された物がアンアニを殺し、龍の力を得る事であった。このため異界の扉を開け、実際に出入りできるかどうかの実験を何度か行う必要があり、シナイ山での滞在期間中はこの研究と実践に多くの時間が割かれた。儀式の妨害がどのような結果をもたらすか解らなかったため、多数のものがシナイ山の麓にとどめ置かれた。
複数の実験により24時間の異界の解放の維持に成功したフロッシーらはこの成功をもって比較的安定したと判断し、1ヶ月以内であれば3人交代でなんとか対応が出来ると判断した。最大でも3ヶ月ほどが限度と考えられたがモーゼはそれ以上になる可能性も示唆してきた。維持できなかった場合、内部に入った人間は恐らく二度と出てこれなくなること、1ヶ月以上は保障出来ないと伝えモーゼもそのリスクを承認した。
ただし、3人交代でも事務的な仕事などは発生しうるためカリコの代表の代行役などが必要と判断されたため、人員配置等にさらなる時間を要し、その間にも実験的に実務をこなしながらの異界解放のテストなど念入りな試験が行われた。もっとも契約によりカリコから離れる事が決定している3姉妹はいずれ誰かに立場、役職を引き継がねばならず、この儀式はよいきっかけともなった。
引継ぎに関してもメドが立ったためモーゼはいよいよ本格的に討伐へと突入する。
異界の門の維持と反乱
モーゼの異界討伐は長期間にわたり、それまでの準備期間と合わせて麓で待機していたエルフ、オークの群れはストレスの蓄積が限界に達していた。とうとうモーゼのいない事をいいことに連日の宴会を始めるようになり、カリコ3姉妹にとっても睡眠時間や集中力を削られるため儀式の妨害ともなっていた。
加えてダナーンも何度か異界へと相談しに行きたいと持ち掛けてきたこともあり、異界への通路の維持は限界にさしかかっていた。問題を放置すればモーゼ帰還も危うくなると判断したフロッシーは、麓のジリス一派の捕獲を実行に移した。
シナイ山に入りきらなかった元カリコの実戦部隊員はジリスらと共に麓での生活をしており、幸いにも彼らは元カリコの人間であるとは気が付かれていなかった。鎮圧が決定してからは何度か宴会に参加させて、支持者が増えたかのように見せかけ潜り込ませた。
偵察
シナイ山の奪還及びアンアニの討伐の成功によりカリコ再興はなったものと見なされ、フロッシーら3姉妹は契約の対価としてモーゼに支払われた。以後の生涯を共に過ごす契約である。同時にカリコの者ではなくなったためシナイ山への長期間の滞在は認められなくなった。
群れの一行には新たな拠点となる地が必要であり、約束の地までの食料をいかにして確保しながら進むか検討しなければならなかった。移動を余儀なくされたモーゼらは次の新たな拠点としてティスティを選択し、ヤミが支配するジェリコの討伐の検討が行われた。
アンデッド軍団に対抗するためには短期決戦が望ましく、またモーゼも過去に攻略したことのあるティスティが本拠地であったため攻略自体は可能であると結論がでた。しかし、統治するヤミがアンデット使役においては異常といってもよい数を扱えたため、かなりの損害が予想された。
移住に際して損害があまりにも多いようでは意味がないためここをいかにして減らすかモーゼと検討し、まずは偵察という事でフロッシーが自ら出向き、ティスティ内部へと侵入を試みた。しかし、入り口でオルセに通行を拒絶されてしまい、あろうことか牢屋へと放り込まれてしまった。
目立つのも望ましくないし、万が一に備えて脱獄の用意や賄賂の用意はしていたため素直に従ったが、下手に脱走すると偵察の任務に支障がでるため作戦を練り直さざるを得なかった。独房であったため静かに考えるにはちょうどいいと判断したフロッシーは穏便に出られる機会をうかがう事にした。その牢を訪れたのがフェリスであった。
フェリスによればフロッシーが拘束された牢は脱出用の抜け道へと繋がっており、出口にて彼女の主人が待っているとの事だった。出口で待っていたオルセから城の見取り図、周辺の地図、事情等を説明され情報をモーゼに持ち帰った。
持ち帰るにあたってフロッシー自身も独自に調査を行い、おおよそ正確な内容である事、それ故に警戒も必要であるという結論を得て、モーゼにその旨を伝えた。知らせを受けたモーゼはこの情報を前提として作戦を組むことにした。
第一に、ヤミは元々統治に興味がない事。第二にいずれにせよ奇襲が必要である事。第三にアンデッドが主力である以上ヤミさえ倒せば戦力は瓦解する事。上記3点から前提として作戦を組んでも問題ないと説明され、潜入する精鋭にヨシュア、サンディ、サウロが選ばれた。
ティスティ攻略戦
ヤミによる統治は基本的には些細な罪でも気軽に死罪となる厳しい法による縛り付けであった一方、治安維持のための人では原則として不足するものだった。足りなくなったら適当に賊などを討伐して兵士として加えるような雑な仕組みであったため、各地で野放しにされている賊が存在し、商人らの自衛のための兵士らが独自に街道を守るような有様であった。
モーゼは戦略として放置された治安の回復を行い、賊からの食糧強奪と周辺の集落からの寄付を短期的な包囲軍の維持のために、その後はそれら善政を長期的な兵站の確保のために行うこととした。襲撃先の選定などはダナーンと検討し、解放した集落の代表との面会も彼女が担当した。
目立った活躍こそなかったものの、重要な役割を果たした。
サウロによる暗殺
ティスティ攻略後、モーゼはすぐに移動を開始しなかった。開始できなかったと言った方が正しい。ヤミの統治から解放された事に喜んだ多くの人々が面会を求め、統治者としての仕事を求められたため身動きが取れなくなってしまっていた。モーゼ自身は当初から仮住まいであるため統治は行わないと伝えていたが、周囲はそうは見なさなかった。引継ぎの仕組みや立て直しなどで足止めを余儀なくされてしまい、この間、現地民との結婚等の幸せな理由で群れから離脱するものもあった。
モーゼは散策にカリコ3姉妹を護衛として付け、初期メンバー全員の気晴らしとした。
一方で、この散策を提案したサウロはサウロで別の思惑を抱いていた。もとはただの異世界人だったサウロはシナイ山のアンアニ討伐において死亡し、知性あるアンデッドとして蘇った。しかし、精神的に幼い彼はモーゼがいずれ老いて死んでしまうことに耐えられなくなっていた。そこでサウロはモーゼを一度殺害し、蘇らせる事で永遠の若さを彼女に付与しようとしていた。
モーゼが油断していたわけではない。サウロが裏切ったかどうかを知っていたかは定かではないが襲撃の警戒はしていた。だからこそ最も頼りになる3人を護衛としていたし、3人とも鎧を着用したままではあった。しかし、サウロの用意した暗殺者といくら殺害してもアンデッドとして復活させるバルカムット式の襲撃の前に体力が続かなかった。
竜牙兵としての復活
護衛の無いモーゼは所詮はただの人でしかない。サウロはモーゼの殺害に成功し念願のステップを一つ踏んだと喜んだ。しかしサウロの裏切りに失望と怒りを覚えたモーゼはその力を暴走させその姿を龍へと変化した。後にティアマットと呼ばれる存在となったのだ。
年表
7歳 | セティ第46年 | サンディが大人を一人殺害。巫女として発言し大人達と対等の立場となる。 |
11歳 | セティ第50年 | モーゼ暗殺計画が漏洩。襲撃を受け壊滅する。復讐のため3姉妹での暗殺計画を再度立て実行。失敗に終わるが、モーゼとの交渉によりカリコ再興と引き換えに3姉妹はモーゼの私兵となる。 |
27歳 | セティ第66年 | モーゼが石切り場からヨシュア、ダナーンを連れ返ってくる。一旦バルカムット帝国を離れシナイ山へヨシュア、ダナーンの訓練の総括を行う。 |
29歳 | セティ第68年 | バルカムット帝国脱出に成功。大きな群れの誘導など、指揮面で活躍を見せる。 |
30歳 | セティ第69年 | シナイ山にて異界を開き続ける作業を担当。3人交代の24時間体制で異界の扉が開かれた。 |
30歳 | セティ第69年 | モーゼが異界で討伐中、ジリスが造反鎮圧のため部隊を動かす。 |
30歳 | セティ第69年 | ティスティ攻略戦。事前の偵察、包囲の指揮、食料調達などの活躍を見せる。 |
30歳 | セティ第69年 | サウロにより暗殺。竜牙兵として蘇る。 |
31歳 | セティ第70年 | アグリストIIらの活躍によりティアマットが封印。彼女も異界に封じられた。 |
やられグラフィック
利用mod
- なし
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- 最終更新:2021-10-17 11:34:26